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本当に世界中の香水を知りたい方のために書かれた、ある意味バイブル。写真なし。辛辣なコメントばかり。この本から香水沼にはまった人は数知れず。

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毎日いろんな香水の香りをかいでは、分析したり連想をしたりしています。最近はレビューがメインですが、時にショートストーリーも。

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フエギア1833 デュナス デ ウン クエルポ

香水のレビュー(満点は☆7)
☆☆☆☆★★★(4点)


デュナスデウンクエルポ 夏の夜。女の息づかい。黒い闇を照らすオレンジの灯り。はぎとられたベール。エキゾティックな瞳。浅黒い肌に鼻を近づける。ウードを焚きしめた狭い部屋の中は、焦げた煙の波が漂っている。彼女の肌は汗ばみ、塩辛い海の味がする。日に灼けたアンバーの匂いとウードの紫煙の中で、灯りに照らされた琥珀色の肉体は砂丘のように稜線を描き、幾度もなめらかに波打ち、その姿を変えてゆく。

フエギア1833から2018年にリリースされた香水、デュナス・デ・ウン・クエルポには、そんな艶めかしい情景が感じられる。ブランド紹介文には、「白い砂浜と砂丘を歩いて過ごした夏の夜を彷彿とさせる香り」というロマンティックな言葉が並んでいるが、要はウードの匂いに抱かれて琥珀色の肌の女性とセンシュアルな時間を過ごしたということだろう。寝そべった女性の美しい体の曲線を「まるで肉体の砂丘だ」と感慨深げに横で眺めている情景、この香水に込められているのはそんなプライヴェートな秘密の時間。

デュナスデウンクエルポは、その香りの強さゆえか、好き嫌いが明確に分かれやすい香水だ。もっと言うと苦手と感じる方が多いタイプの香りだと思う。香水じたいが苦手という方は、このデュナスを嗅ぐと「うわ!」とか「焦げくさい」「お寺の匂い??」と煙たく感じる方が多いようだ。では、どんな香りなのか?

デュナスデウンクエルポをプッシュする。その瞬間いつも思うのは「これはマジに半プッシュでいい」ということ。プッシュした瞬間、焦げ茶色のジュースからそのままの印象の煙たい香りがぶわーっと広がってくる。ぶわーっとくるから「うわっ!」となる。香水慣れしていない人、特に「ウードって何?」系な方は、一発でKOされてのけぞるかもしれない。

つけて最初に広がってくるのは、とても煙たくスパイシーな香りだ。一瞬感じる「お寺感」がハンパない。焦げた木と香木を焚いた煙の匂い、そこに一気に中東のスパイスマーケットの匂いがかぶさってくる。一番感じるのはクローブの甘辛いしびれる香り、シナモンの辛み、乳香のバルサミックな清涼感あたりだ。これらが一気に迫るーショッカーなので(←古い)、好きな人は深く吸って悶絶するし、苦手な人は手で匂いを払おうとする。最初に言っておくとそういう「お寺系」「お香を焚いた煙が好き系」な方向けの香りということだ。

つけて10分くらい、この焦げ焦げスモーキーと中東スパイスミックスの荘厳な民族音楽の調べを聴くことになる。超焦げ感満載。スパイスは仁丹(懐かしい)や正露丸をまとめて10粒くらい口の中に放り込んだ感じの匂い。

このトップのミドルイースト寺院系な香りは、次第に和らいでいく。真っ暗な部屋に焚きしめられたウードっぽい香りは、酸味と苦味と強い煙っぽさを全開にしたあと、ゆっくりと粒子になって降り注いで落ちてゆく。

つけて20分くらいすると、サンダルウッドの香ばしく乾いた香りがメインとなる。このあたりから焦げ臭さは消失していき、とても崇高で温かみのある木の香りが強くなってくる。それは覆い布をさらりと脱いだ褐色の肌を思わせる。なめらかで光沢のある肌が温かみを増して、琥珀色の光に金色のエッジを美しく揺らす。

そして、このスパイシーな残香を伴ったスモーキーなサンダルウッドがいつまでも続く。8~10時間。場合によってはそれ以上。フエギアの香水は、1つの作品に用いる香料数は少ないものの、賦香率がとても高く長時間香りが続く作品が多い。このデュナスに関してはそれが顕著だ。衣服についたデュナスの香りが、何日たってもずっとそのまま残って香っているということもあって驚いた。

価格は30mlが18700円。100mlもプーラもあるけれど、ウード系香水を浴びるように使う中東の方でなければ、小さいサイズで十分ではないかと思う。自分がこの香りを好きでも、周囲にスモーキーウッディな香りを強く拡散させてしまうタイプなので、使い方や付け方にはかなりコツがいる上級者向きの香水だろう。付けてから5~6時間ほどした頃の、えも言われぬすばらしいサンダルウッドがほのかに香り続けるラストが秀逸。まるで夜の砂丘での秘め事を回想するかのように、穏やかに金色に香り続ける。

砂丘と女 白いシーツの海。目を閉じると、彼女が白い砂の上を歩く姿が思い浮かぶ。強い風、まばゆい日差し。夏の熱い砂の上、海から吹きつける潮の香り、風になびく髪。白いドレスに着替えて自由を手にした女の軽やかな足取り。夜の砂丘で泳ぎ疲れた二人は、いつしか眠りに落ち、一炊の夢にしばしまどろむ。

夢うつつの中、腕の中に眠る女の肌の香りが、温かく香ばしいサンダルウッドに変わったことに気付く。

遠く波の音が響いている。もう夜明けが近いのだ。
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