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有名な辛口香水レビュー本和訳版の最新作いよいよ登場。今回はニッチ全盛の現代香水メインです。

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プロフィール

ドギー本澤

Author:ドギー本澤
毎日いろんな香水の香りをかいでは、分析したり連想をしたりしています。最近はレビューがメインですが、時にショートストーリーも。

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香水ドラマストーリー

あなたはまだ出会っていないかも知れない。

この世には、「信じられないくらいいい香り」「思わずのけぞるようなすばらしい香り」が存在する。
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目に見えない香りにこめられた、秘めやかな意味や記号。
それは、ときとして言葉よりも明確に、音よりも鋭敏に、相手のハートにダイレクトに届くメッセージとなる。

「香水のレビュー」では、古今東西の名香を中心に、男女問わずおすすめの香水を自分の目線でレビューしています。
「香り」をモチーフに、日常のささいな心模様、シーンをショートドラマストーリーにして書いています。
評価は、毎週投稿している「@コスメ」の口コミと同じように、☆の数(1~7点)にしています。

☆(1)私には似合わないみたい。おすすめしません。
☆(2)うーん、私にはピンと来なかった。
☆(3)普通。可もなく不可もなく。
☆(4)まずまず。なかなかよくできてます。
☆(5)よかった!自分にぴったり!リピートしたい!
☆(6)おすすめ!最近のHit!他の人にも教えたい!
☆(7)最高っ!超おすすめ!みんなもぜひ使ってみて!

評価は自分の独断と偏見ですのでご了承ください。また☆7は、よほどの作品でない限りつけません。

あなたは 本当に好きな香りに もう出会っていますか? 
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モルトンブラウン ミルクムスク

ミルクムスクEDT ミルクムスク。これはやられた。この名前を聞いただけで超絶嗅ぎたくなるすばらしいネーミング。もう名前で勝利確定系。閉塞感と孤立感、不安感が強い今の時代に、ミルクのように安らぎを与える香りだろうか?ミルクムスクは世界を救うだろうか?(←そこまで言うか)

ミルクムスク。この単純にして今まで誰も思いつかなかった魅力的な名前の香水をリリースしたのはモルトンブラウン。英国のブランドで、どちらかというとトータルバスケア製品で有名だ。かのエリザベス女王のロイヤルワラント(英国王室御用達認証)を持ち、世界中の名だたる高級ホテルのアメニティにも採用されており、信頼度は抜群だ。

ミルクムスクは2020年4月に発売されたばかりの香水。やや拡散力が強いオードトワレ(EDT)と、付けた場所で香りが続くオードパルファム(EDP)の2種類を同名で展開している。EDTは50mlで税込11000円、EDPは100mlで税込22000円。EDTとEDPは香料の構成も印象も結構異なるので、単に濃度の違いではないことは留意したい。このレビューはEDTの方だ。

では、そんな名前でつかみOKなミルクムスク、実際の香りはどうなのだろうか?

可愛いたまキャップを取ってスプレーする。ほんの一瞬、アルコールの冷たい香りが抜けていくと同時に、ふんわり現れるクリーミーな柔らかい甘さ。何だろう?わからない。その下からは割合スッキリした石鹸のような香りも出ている。よくある白い石鹸の香りのようだが、ツンとしたソーピーさではない。もっと控えめでパウダリーに傾いた香りだ。

柔らかくてクリーミーで、ほんのり甘くてフルーティーな気配もする白い香り。それがミルクムスクEDTのトップだ。ブランドは構成イメージを次のように示している。

トップ:ペアー、ピーチ
ミドル:ソフトムスク、アンブロキシド、ヴァニラ
ベース:ホワイトシダー、トンカビーン

トップにペアーとピーチとあるけれど、どちらの香りも明確ではない。ただ桃のもつ柔らかな風味、洋ナシのみずみずしさあたりは感じ取ることができる。同時にソフトムスクのマイルドな清潔感&白いパウダリー感もトップから感じ取れる要素だと思う。そこに柔らかなヴァニラの白いヴェールがかかっている感じ。この白くてマイルドクリーミーな香りが、しばらく続くミドルになっていく。

トップ~ミドルで大きな変化はないものの、次第に見えてくる香料がいくつかある。特にミルクノートの部分。その1つは乾いた粉っぽいクマリン、いわゆる杏仁霜の香りだ。それからほんのわずかナッティーなココナッツ香もかいま見える。ただ、ミルクムスクという名の「ミルク」の部分がEDTでは実はそれほど強くなくて、その白いブレンドの下からかなりエアリーでスッキリした風が流れている点が特徴的だ。これは、アンブロクサン等でウォータリーなベースを作っている感じ。

この作品を創った女性調香師マーヤ・レヌは、今回のミルクノートが特別なオリジナルであることをフィルムで語っている。その秘密はおそらく、ミルクノートの下に流れるこのスッキリした水のような香りとの配合にあるのだろう。

「ミルク」を感じさせる香りはこれまでにも多くあった。例えばディメーターのコンデンスミルクやフエギア1833のキロンボなどは、かなり練乳寄りなミルクノート系。これらは濃く煮詰めた甘さが引き立つ感じ。これに対して、ヴァニララスト系の香水は数多くあって、ほぼ2種類に分かれる。一つはヴァニラアイスクリーム系の甘く白い香り、もう一つはローストしたヴァニラビーンズ系の焦げた茶色い香りの系統だ。だが、ミルクムスクのミルクノートは確かにそれらのどれとも違う。

なぜなら、ミルクムスクのミルクは液体で流れているからだ。

ミルクの匂い これまで「ミルキー」と称されてきた香りは、割にアイスクリームやミルクキャンディを思わせる個体系の香りが多かった気がする。マーヤ・レヌは、そこにウォータリーノートを交えることで、流れる液体イメージのミルクにしたのではないだろうか。

ミルクムスクの香りは、桃でもなく梨でもない。石鹸でもなく海の香りでもない。練乳でもなく牛乳の香りでもない。それらのどこからも等距離にあって、香りの円環の中心でソフトなムスクの毛布にくるまれているピュアな香り。赤ちゃんを包みこむ柔らかなおくるみの匂い。

赤ちゃんの顔にそっと顔を近づける。干し草のようにあったかくて、ちょっと酸っぱいようなミルクの匂いがする。いつまでも嗅いでいたい不思議な香り。そして自分が遠い昔、どこかで味わって忘れかけている大切なものを思い出させてくれる根源的な匂い。

ミルクムスク。それは大人になった貴方に捧ぐ、聖母の愛の香り。

香水のレビュー(満点は☆7)
☆☆☆☆☆★★(5点)
このレビューを@コスメに書いた時、反応がすさまじかったのを覚えている。まるで韻を踏んでいるかのようなミルクムスクというネーミング。その名に劣らぬ、しっとりと液体間のあるミルクノートが評判になった。「ひと嗅ぎでそれとわかる明確な香り」は現代香水ヒットのある種の条件のようにもなってきている昨今。「あ、ミルクの匂いがする」と誰もが語ったらもうそれで熟れたも同然といった感がある。ミルキーな香りはたくさんある。クリーミーなファセットをもつ香水もたくさんある。けれど、牛乳でも練乳でもない、ミルクの香り。スッキリと流れるような新しいミルクノート。気に入るかどうかは分からない。でもモルトンブラウンの可愛いたまキャップ香水を見かけたら、是非一度ネタ的でいいから試してみてほしい。そのときは自分の肌にのせられたらもっといい。ミルクの香りと人肌の温かさは親和性がとても高いことがわかるから。


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ディオール ホーリーピオニー

ホーリーピオニー 世に美しい人はいるもので、どんな所作をしても麗しい方をかつて日本では花にたとえてこう言った。「立てば芍薬(シャクヤク)、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」。

ただここに使われている花の名を英語にすると、やや微妙だ。

「立てばピオニー、座ればピオニー、歩く姿はリリーフラワー。」ルー大柴か?(←それも微妙なツッコミだな)

そう。実は芍薬も牡丹も、英語ではまとめてピオニーとされている。

芍薬と牡丹、この2つは似ている点は多いものの、完全に別花だ。芍薬はスッと1本茎が立つのに対し、牡丹は枝分かれしていくし、花の形、花弁の数も互いに多種多様だ。だから花の香りも無香の物から強香系まであって、一概に「これがピオニー系の香り」というのが難しいという。しかし、逆に言えばそこが香水の調香師にとっては魅力でもあり、あの大ぶりの豪華な花の香を自分なりに表現したいと、心をくすぐられる素材なのかも知れない。

実際、世に「ピオニーの香り」を謳った香水はたくさんある。芍薬も牡丹も天然香料が採れないので、これらは全て調合香料で作られた人工的再現の作品だ。こうして作られたピオニー系の香水は、調香師が提案する「私がイメージするピオニーの香り」ということになる。そこに調香師の独自のセンスや解釈が感じられるからこそ、香水としての面白さがあるのだろう。

ディオールのホーリーピオニーは、2019年にリリースされた最新のピオニー系香水だ。ホーリーは「神聖な」「高貴な」といった一般的な意味合いだろうか。「またピンク色の香水か、MCDはピンク多すぎ」なんて苦笑&ツッコミはさておき、ドゥマシー版ピオニーの香りの秘密に迫ってみたい。

ホーリーピオニーをプッシュする。その瞬間まず感じられるのは、爽やかな清涼感だ。ペパーミント入れた?と思うくらいスーッと鼻の奥に抜けてゆく一陣のクールな風がある。同時にジャスミンサンバック系のふくよかなフローラルがたなびいてきて、とても懐かしい匂いを思い出す。これは昭和時代(苦笑)にロッテが出して一世風靡した香水味のガム「EVE」の味を彷彿させるトップ。つまりジャスミンミント系の香りだ。

このクール&フローラルなトップは、開幕3分で和らぎ、やがて下から甘いベリーの香りとローズ調の華やかなフローラル香が広がってくるのを感じると、展開はミドル。MCDお得意のソリフロール(一輪挿しワンノート)かな?と思いきや、きちんと香りが変わるタイプだと思う。トップから続くアロマティックな清涼感とバラ調の香りに、甘いフルーティーが絶妙のブレンドで広がってくる。

そういや、ミスディオールブルーミングブーケにも、確かピオニーノートとクレジットにあったな、そう思ってあの銀リボンの乙女なボトルを持ってきてつけ比べしてみた。(←自分用ではないので許してください)

ミスディオール何ちゃらの方は、シャネルのピンクチャンスの向こうを張って作った系と勝手に認識しているけれど、いざホーリーピオニーとつけ比べると、かなりグリーンなハーブ調の清涼感が強いフローラルブーケだということが分かる。対するホーリーピオニーはしっとりみずみずしく、女性らしい落ち着きと洗練されたスイートな花の香りがする一段階低い香りという印象だ。

ここから共通項をくくってみて分かるのは、ドゥマシーがピオニーノートを作る際に外せない香料がいくつかあるということだ。一つはリナロールやゲラニオールなどのバラ調の華やかな香りをもつ香料、もう一つはシオネールなどの鼻にスッと抜ける清涼感ある香料だ。菊やユーカリ、樟脳などの匂いがイメージしやすいと思う。少なくともこの2つを軸にしてドゥマシーは彼なりのピオニー香を表現しているように思う。

このクール&エレガントなフローラルは3時間ほど持続し、やがて高いムスキーな香りに溶けてそのまま減衰する。人によって異なると思うが、香り立ちは柔らかく、4~5時間程度香るタイプの香水。

ピオニー ピオニーは千本あれば千本違う。色も香りも花弁の数も千差万別だ。特にヨーロッパで人気があるのは、バラ咲きの大ぶりなピンクの花だ。それは薔薇のようで薔薇でなく、何かと何かの間に咲く美しいフェミニンな花。例えば白いサクラと赤いバラの間。乙女フリルと大人プリーツの間。プリティとエレガンスの間。片恋の熱情と深い家族愛の間。そんな狭間でピオニーのクールロマンティックな香りは、やわらかく微笑んでたたずんでいる。

バラよりも淡く爽やかに。ジャスミンより甘くみずみずしく。千の花びらの奥に秘めたしっとりフルーティーなフローラル。ディオール、ホーリーピオニー。

香水のレビュー(満点は☆7)
☆☆☆☆☆★★(5点)
薔薇の香りが苦手、という方がいる。ジャスミンの香りが苦手、という方もいる。そういう方にわりとおすすめしやすいフローラルがピオニー系の香りだ。ふんわりした花の香りでありながら、強く主張せずしっとりした感じがある。ことにディオールのホーリーピオニーは、汎用性が高くつけやすいフェミニン香ではないかなと思う。
個人的にはガッツリ昭和生まれなので、懐かしきロッテの香水ガム「イヴ」を感じさせるトップのスッとする感じが好きだ。女性らしい香りなので自分でつけることはあまりないが、時々このトップからのあでやかな大輪のピオニーの香りにふれたくなることがある。ディオールにピンクの香水は多いが、売れているのはサクラやローズ系を扱ったピンクジュースのボトルが多いらしい。分かる気はする。


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ディメーター チェリークリーム

チェリークリーム 「デート前夜のつめの色」「空いっぱい羽根を広げた火の鳥の夕焼け色」「虫かごを持って走った夏休みの野菜畑色」。なんて詩的なネーミングだろう。これらは日本の通販ブランド、フェリシモが出している高級色鉛筆「500色の色えんぴつ TOKYO SEEDS」の1本1本に付けられた名前だ。

そのポエみさ全開のネーミングは、カタログで色と見比べているだけでとても楽しい。で、朝から久々にトムフォードのロストチェリーをつけようと思っていた矢先だったので、さくらんぼ系の色で何か面白い名前はないかなと見ていて、一瞬、固まった。

「完熟食べ頃さくらんぼのあつあつタルト色」 

う…、食べたい…。

思うが早いか、ロストチェリーを速攻で脇に寄せ、代わりに引っ張りだしてきたのは、ディメーターのチェリークリーム。30mlで3000円ほど。50mlで4万円近くするトムさんのロストチェリーを土俵外に寄り切る勢いでチョイス。

ディメーターは「フレグランス・ライブラリー」の看板どおり、100種類以上ものライトコロンを展開するニューヨーク発の香水ブランド。以前はバラエティショップ等でも置かれていたが、いったん日本撤退した後、昨年よりディメータージャパンから販売が復活して話題になっている。現在は同サイトからオンラインで購入が可能だ。

ディメーターの香りは、基本的にあまり変化しないシングルノート系で、香水のような複雑な香りが苦手な方も楽しみやすいように作られている。ありふれた日常がほんのちょっとの香りで幸せになるように。だからこそ自由な重ね付けも可能だ。

また、香りの種類も個性的で面白い物が多い。「スノー(雪)」など自然な香りをテーマにしたものには始まり、「カップケーキ」のようなお菓子系も。さらに「ニューベイビー(赤ちゃんの香り)」などもあって、次から次へと香りを確かめたくなる。それぞれの香りにテーマカラーもあるので、まるで100色の色えんぴつを香水にしたような雰囲気だ。

そのラインナップの中で、チェリークリームはくだんのロストチェリーブームに牽引されて最近再び脚光を浴びている作品だ。リリースはチェリークリームの方が先。では一体どんな香りなのか?

チェリークリームをつける。つけた瞬間に立ちのぼるのは、チェリーリキュールそのもの!といった感の洋酒の香りだ。昔からあるリキュール漬けチェリーが中に入ったチョコレート。あれを噛んだときに口の中にあふれる冷たいリキュールの風味とビタースイートなダークチェリーの風味、それがチェリークリームのトップだ。このやや薬っぽい強烈なチェリー感は、もちろんアメリカンチェリー。赤黒くてつるつるしていてしっとりした甘さをもったあの味。

2分後にはトップのリキュール感はスッと消え失せて、一気にライトなチェリー風味になる。酸味が感じられるようになり、甘さがひきたってくる。フェリシモの500色の色えんぴつで言えば、以前のバージョンにあった「ブラックチェリーパイ」色といったところ。とはいえ、パイやタルトを思わせるバタークッキー感があるわけではない。すっきりダークなチェリーノートがストレートに楽しめるミドルだ。

そして30分ほどすると、チェリーの香りが少しずつうすれて、その下から白いヴァニラ香がほんのり漂ってくるようになる。ディメーターはライトコロンなので、つけて30分ほどで香りがかなり減衰してくる作品が多いけれど、チェリークリームは割と香りが変化しながら持続する部類だと思う。ツンとしたチェリー香がマイルドになって、ややドライで紙っぽい感じのヴァニラ香が漂ってくるとラスト。チェリーの甘さ&ほんのりウッディヴァニラが3~4時間ほど香ってドライダウン。

全体として見ると、チェリークリームという名前ではあるものの、実際はチェリー香が80%、ドライなヴァニラ&ウッディが20%くらいな印象。ミドルのキュンと鼻腔の奥にくる甘苦さは、サクラ系香水によく使われるクマリンやビターアーモンドかと思う。杏仁豆腐の香りも含めて、チェリー香が好きな方におすすめだ。重ねづけなら、ルタンスのジュードポーやフエギアのバタークッキー系やミルク系の香りの上にのせると、よりグルマンになって楽しい。

チェリータルト サックリ香ばしいバター風味のタルト。そこにクリームチーズとヨーグルトとハチミツを混ぜたサワークリームを入れて、プリプリのアメリカンチェリーをたくさん並べる。自分はベイクドしない冷たいチェリータルトの方が好きだなと思っているうちに、口中に唾液があふれそうになる。

チェリークリーム。この香りを500色の色えんぴつに加えるならどんな名になるだろう?

そんなよしなしごとを考えるのも楽しい食欲の季節が、また来る。

香水のレビュー(満点は☆7)
☆☆☆☆☆★★(5点)
別にロストチェリーに4万円出さなくても、美味しそうなチェリーの香りは作れるというよい見本。ディメーターは、おもしろい香りがたくさんそろっている。香水というよりも、どこか自由奔放に香りをつけて遊ぶトイ的な雰囲気もあっていい。使い方もさまざま。ディメーターどうしで重ねてもいいし、他のブランドの作品にチェリーフルーティーな雰囲気をのせたいときに使ってもいいと思う。ディメーターのブランドの基本にあるのは「香りをもっと自由に楽しむ」こと。甘いクリームがのった濃厚なチェリータルトの香りがかぎたくなったら、迷わずチェリークリームだ。


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ディオール ジャドール

ジャドール 名香、ジャドール。2011年、フランスの香水年間売り上げ高で初めてシャネルのN°5を抜いて1位になった歴史的な香水。1999年の発売以来売れ続け、今やディオールパルファムの看板商品となっているジャドール、一体なぜそんなにジャドールは売れているのか?

ジャドールを調香したジボダン社の女性調香師カリス・ベッカーは、この作品の成功について次のように語っている。

「ジャドールはパーフェクトストーム。それは、香り、価格、ボトルデザイン、広告の全てが最高の一点に集結した作品。この香水は、香水に興味を持たなかった人にも『つけてみたい』と思わせ、手に取って『試させ』、そして『嫌われなかった』。」

改めてジャドールのボトルを見る。「金色を香りにしたい」というカリスの思いを形にしたかのようなマサイネックレスのゴールド。好き好きはあるだろうが、このボトルネックの金装飾は、アンフォラ型のなめらかな形状と相まってとても映える。さらにその上にのった透明な玉のキャップ。これが壺からあふれる美しい水滴のように見えて思わずさわりたくなる愛らしさだ。このデザインは世界的なデザイナー、エルヴェ・ヴァン・デール・ストラッテンの作品。

さらに広告では、ヴォーグ誌のモデルとして絶大な人気を博していたカルマン・キャスを初代ミューズに迎え、その後はシャーリーズ・セロンを起用するなど、莫大な広告費をかけてグローバルマーケティングを仕掛けている。

唯一無二の美しいボトル、そして世界最高のモデルを起用した広告。1985年にプワゾンで世界的ヒットを飛ばしつつも、絶対に崩せなかったシャネルN°5の牙城を崩すための本気が、このプロジェクトにはあった。では、ジャドールの本質である香りは一体どうなのか?

ちなみに、現行ジャドールは2010年にフランソワ・ドゥマシーが再調香した作品だ。巷には以前のジャドールより深みがなくなったとお嘆きのマニアも多いと聞く。だが、リファインには、アレルギー規制などそれなりの理由があるはず。ドゥマシーは偉大なる編曲家だ。彼なりにジャドールの大事な骨格をくみ取って調整したものと思う。それはどんな香りに仕上がったのか?

ジャドールをスプレーする。まず広がるのは、透明感のあるみずみずしいフルーティーな香りだ。洋ナシとピーチをミックスしたようなあふれんばかりのジューシーなイントロ。とてもウォータリーだが、いわゆる瓜系の塩っぽい感じではない。酸味がなく、洋ナシ果汁の自然な甘さとコクが感じられるとてもシアーなトップ。

1分もせずに、さまざまなフローラルが豊かに広がってくる。イランイラン、ジャスミン、チュベローズ、マグノリアあたりの濃厚な白いフローラルが強めに出る。その下からわずかにローズのシャープさが見え隠れするミドル。強いのはジャスミンだ。

公式によると、ジャドールに使われているのはサンバックジャスミンと、ディオールが契約農家に委託しているグラースジャスミンの2種類。サンバックジャスミンはふわりとした軽やかな香りが特徴だが、この濃厚なホワイトフローラルからグラースジャスミンを嗅ぎ分けることは難しい。よくグラースジャスミンは樟脳っぽい匂いのインドールが多量に含まれているというけれど、確かにそうしたスパイシーな樟脳っぽさは感じられる。

ただ、2つのジャスミンの他にも、イランイランの官能的な低音、ローズの清涼感、ネロリの温かみも感じられてとても複雑な香気ではある。それらフローラルが渾然一体となって、シアーなのにクリーミー、エレガントなのに妖艶、といった相反する要素を一点で調和させている。これはすごいと思う。世界にホワイトフローラルはたくさんあれど、ひと嗅ぎでジャドールとわかる香りだ。

そしてこのミドルが驚くほど持続する。1プッシュで10時間以上。以前、手首につけたジャドールの香りを消そうとして石鹸で洗ったが、その後もジャスミン&ムスキーな香りがずっと残っていた。とても残香性が強い作品だ。

ラストは、フローラルムスクとなってソーピーに傾いて消失してゆく。複雑なジャスミン香が消えて、平板なジャスミン香になっていくので、ベンジルアセテートな感じだ。そしてホワイトムスクの温かみある香りと共にドライダウン。

シャーリーズセロン 価格は30mlで9350円と良心的。これは大事だ。ジャドールは、モダンでグラマラスな女性らしさと同時に、シック&エレガンスをも備えた大人の女性の香り。ノーブルで慎ましく、ときに官能的に人の心を惹きつけてやまない。そんな不可能を可能にしたゴールデンバランスの香り。

「ジャドール!(大好き)」。それは、ムッシュ・ディオールの口癖だった言葉だという。

まさにディオールが打ち立てた金字塔、ジャドール。

香水のレビュー(満点は☆7)
☆☆☆☆☆☆★(6点)
ずっと昔のことだ。山奥にある秘境の温泉に出向いたことがある。まさに「隠れ宿」といった具合のロケーションで、送迎車が通る道は車一台分がやっと通れるといった具合の崖道。クマや鹿が突然目の前に現れてもおかしくない大自然の前に、進めば進むほど口数が少なくなっていったのを覚えている。するとパッと視界が開け、谷間の川沿いに黒塀の瀟洒な和風の館が現れた。人里を遠く離れた山中の温泉宿。温もりのある木の香。柔らかい露天の湯に満足し、暗い渡り廊下を歩いていると、不意に通りすがった浴衣姿の女性のなじあたりからスズランのような透明感あふれる香りが漂ってきた。瞬間、身体がすっと止まりそうになった。すれ違った女性の香りは明らかにジャドール。まさか温泉からあがったと思われる女性からジャドールの残り香がするとは。それはまるで金粉を振りまいたようにキラキラした香りだった。
もうずっと昔のことだ。だが、強烈な印象はいつまでも心に残って、今も眼前に蘇る。シアーハートアタック。あのジャドールの女性、今はいずこ。


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